「私はみんなより優れている」
こんな気持ちを人はときに持ってしまう。
「私はみんなより劣っている」
同じ人がこんな気持ちもときには持ってしまう。
ある人がこんなことを言っていた。
この世は二元性。表裏一体。両極で成り立っている。
表と裏。善と悪。優と劣。美しいと醜い。好きと嫌い。
これらは異なったものではなく同じものの二つの言い方。
よくはわからないが、なんとなくわかる。
お釈迦様の言われた「中道」は、偏らない生き方のこと。
どちらか一方の極に落ち込まないように、
動かないで、真ん中にいなさいということだと思う。
でもずっと真ん中にはいられない。
そして、たぶん
両方の極端がどんなものか経験しなければ真ん中にいたいとは思わない。
人はけっこう多くの時間を無意識的に生きているように思う。
頭は勝手に色んなことを考え、身体はじっとしてられない。
いつのまにかどちらかの極に向かい、
知らず知らずのうちに人を不快にさせたり、傷つけたりしてしまう。
だから自分が今、何を考えているか、何を感じているか、何をしているか
ときどき意識して自分を見る。
自分の状態に気づけば、ベクトルは真ん中になる。
意識しないでもずっと真ん中にいられる人を悟った人というのだろうか。