めんどくさがりや

道を歩いていると、

前方から歩きスマホの女性が近づいてくる。

僕は数秒後を予想して、右方に身をよけ接触を回避する。

次は自転車に乗った男性が、ハンドル操作を迷いながら近づいてくる。

右に切るか左に切るか戸惑っている。

僕は彼が安心してハンドルが切れるように、立ち止まってあげる。

自転車に乗った彼は僕の左側を颯爽と抜けていった。

今度は頭は横に向いているのに、まっすぐに歩いてくる女性。
(こういう方ときどきいますね)

歩く速度が速く、数秒後には衝突の危険が有る。

私は小走りに左方へよけ、何事もなかったようにその場をあとにする。

しつこいようだがもう一つ。

あるショッピングモールの駐車場に入るため車の長い行列ができている。

そこに一台の車が右車線から割り込もうとしている。

左のウインカーを点滅させ、割り込みをさせてくれる車を待っている。

僕の前の車は割り込みを拒否した。

つぎは僕の番。僕はいつものように、「どうぞー」をしてあげた。

割り込みに成功した車はハザードランプをチカチカさせた。

 

たいていの場合、道を譲る僕はもしかしてやさしい?

いや、やっかいなことになるのが嫌なだけ、めんどくさがりやなだけだな。

でも、ときどき僕に譲ってくれる人がいる。

道や順番を譲ってくれる人。

そんなときは素直にありがとうの気持ちが湧いてくる。

だからめんどくさがりやでいいのだ。

これからも道や順番はできるだけ譲って生きていこうと思う。

彩雲(さいうん)