ありがとうコーヒーショップ

会社から歩いて2分のところにコーヒーショップがある。
約13年間、ここにほとんど毎日通った。
朝、仕事前にコーヒーを飲みながら本を読み、
夕方、仕事をさぼってカフェラテを飲み、本を読んだ。
仕事を頑張った日は、
夜もここでコーヒーを飲み、ぼーっとしていた。

今日、このコーヒーショップが閉店となる。
困る。近くにはここ以外に「ちょっとさぼってくる」場所がない。

そして少しさびしい。
13年間通った「空間」が無くなる。
テーブル、椅子、絵画、観葉植物、
そこにあった馴染んだものが消える。

不思議なことがある。
ここに来る人は常連のお客さんが多い。
だいたいいつ行っても見覚えのある顔がそろう。
内気な私は毎日顔をあわせても話をすることは、ほとんどない。
でも、この人達に対しても寂しさを感じてる。

ずっと、うつむき加減に本を読んでるおじさん。
ケーキをすごく美味しそうに食べる女性。
なぜかいつも大きなくしゃみを放つ、はくしょん大魔王(古い)。
観察しているわけではないが、特徴を思いだせる人はけっこういる。

同じ時間を同じ空間で過ごすということは、
それだけで親近感を育てるのだと思う。
話をしなくてもお互いに影響を与えている。

みんな同じ気持ちなのかな。
今日で閉店。夜、見慣れた顔がいっぱい。

ありがとうコーヒーショップ。