マネレン

たぶん猫は人間の言葉や気持ちを理解する。

「あと少ししたら家を引っ越す。もうご飯はあげれないけど元気で生きて」

5日くらい前に野良のレンに引っ越すことを伝えた。

すると翌日からレンの様子が変わった。

いつもならご飯をたべたら、さっさとどこかへ行くのだが、どこへも行こうとしない。

僕をずっと見ていて、おいでと手招きすると、ニャーと鳴きながら寄ってくる。

屈んでレンの頭をなでると、ゴロゴロと喉を鳴らし、転がって何度もお腹を上にする。

いつもは尻尾を少し上に向けゆらゆらと揺らしていたのだが、

だらーんと下がったまま。

調べてみると、これは寂しさや悲しさを感じているときだそうだ。

警戒心がなかなか解けなかったレンが、

お別れを告げた翌日からこんな様子に変わった。

相棒のマネはあの日、身体を震し、ときどき痙攣をしていた日から姿を見ていない。

きっとこの家の床下で眠っていると思う。

心を癒してくれた。ありがとう。マネレン。

 

明日の朝、最後のご飯をレンにあげる。

この家で寝るのは今日で最後。

お世話になりました。