もうすぐ誕生日がくる。58回目の誕生日。
精神的には中学生の頃からあまり変わってないように思うが、
身体と脳は普通に順当に老いた。
よく忘れ物をしだした。すぐ眠くなる。
切り傷がなかなか治らなくなった。
油断するとすぐお腹が出る。涙もろくなった。などなど
ああ、ひとつだけ順当ではない自慢がある。
近眼でないのに、本は老眼鏡なしで読める。
40歳くらいのときが一番年をとることに抵抗感があった。
もう若者ではなくなるなからなのか。先が見え出したからなのか。
とにかくなぜか焦った。
あまり時間がないような気になったのを覚えてる。
今思うと、たぶん老人になることを恐れていた。
48歳の時に孫ができておじいちゃんになった。
何人かの人におじいちゃんと呼ばれるようになった。
この頃から老人になることを徐々に受け入れていったような気がする。
そして何年か前に100%受け入れた。
不思議なことに受け入れたら年を忘れるようになった。
抵抗していたときは先が見えたような気がしたが、
受け入れたらまだまだ先は見えないことがわかった。
予想可能な人生より、
何が起こるかわからない人生の方が面白い。
自由に我儘に自分勝手に色んなことをやってみたい。
そしたらその反動で究極の優しい人間になれるかもしれない。