ずいぶん前の話。
お店にタロット占いコーナーがあった。
ある日、タロットの先生に、
あなたの本質はタロットで言えば「戦車」ですね、と言われた。
そのあと、先生は22枚の大アルカナカードを裏にしてテーブルの上に置き、
「戦車を選んでみて」と言った。
不思議だが、それがどこにあるか分かった。
透視ではない。カードは透けては見えなかった。
頭の中に「戦車」を選ぶ自分が見えた。
引いた。そしてそれは「戦車」だった。
もう一度やってみてと先生は言い、再び22枚を裏にしてしっかりとかき混ぜた。
同じことだった。
二度目も「戦車」を引いた。
まったく迷いはなかった。
ただそこにあるのがわかった。
この先生は驚いてはいなかった。
こういうことはときどきあったのだろう。
でも、残念ながら僕はこのあと同じようなことは出来なかった。
裏になったカードを言い当てることが出来たのはこのときだけだった。
先日、アカシックレコードについて解説していたYouTubeを観た。
アカシック・レコードというのは宇宙の始まりから終わりまでの情報、
また、すべての人類の過去と未来の情報が書き込まれた巨大なデータベースのことで、
過去の出来事や未来の出来事などを知ることができるというもの。
過去に天才と呼ばれ、それまでの常識を覆し、
新しい科学の時代の扉を開いた人たちは、
このアカシックレコードにアクセスできていたとか、
初めて経験することなのに、過去に経験したことのあるように感じるデジャブも、
心理学者ユングの集合的無意識もアカシックレコードに結びつけて解説していた。
集合的無意識とはこの世に生きるすべての人が共通で持つと言われる潜在記憶で、
誰にも教わっていないのに、なぜか知っているという記憶や知識のこと。
アカシックレコードに未来の出来事が記録されているということは、
未来は決まっているということになってしまうが、
この解説者は、未来を変更することができる、
もしくは複数の未来があると言っていた。
そして、多くの人が知らず知らずのうちに、
アカシックレコードへアクセスしているとも。
予感とか、直感とか、虫の知らせもそうらしい。
あのとき「戦車」を何の迷いもなく選べたのは、こういうことだったのかもしれない。
できればいつでもそうしたいときに、
アカシックレコードにアクセスできればいいなと思うが、それは無理らしい。
でもいつか、遠い遠いいつかと思うが、人類はそうなるように思う。