潘(ぱん)さんと震(しん)が仙台まで遊びに来てくれた。
潘さんは中国東北の「水晶の郷」と呼ばれるところで石屋さんをしていて、
ここへ買い付けに行くときにはいつも潘さんにお世話になっている。
震は潘さんの息子だが、今は中国を離れ日本にいる。
明治大学の二年生になった。
始めて会ったとき、震はたしか小学4年生だったから、
潘親子との付き合いはもう12年になった。
仙台に遊びに来てくれたのは潘さんは3回目、震は4回目だ。
たまにはどこかへ連れて行ってあげようと思い、
私は方向音痴で車の運転も苦手、ナビもなぜかうまく使えず、
どこに行くにせよ必ず迷う。
でも中尊寺は高速に乗って約1時間半で、
ほとんどまっすぐに行けばいい。
珍しく一度も迷わず目的地まで行けた。楽勝だ!
丸一日彼らと一緒にすごしたが、潘親子はとても仲がいい。
幸運の神様として有名なビリケンさんにそっくな親父の潘さんは、
はしゃいだり、大笑いしたり、ときにむつけたり、
さまざまな顔を息子にストレートに向ける。
息子の震はそんな親父に無意識に呼吸を合わせている。
たぶんこのふたりは愛し合っている。
いやおたがいだいすきで、信頼し合っている。
うらやましいと思う。
僕はこんなに素直にいとおしい気持ちを表現できない。
潘さんの爪の垢を少しもわけてもらわねば。
「いつも満面の笑みの潘さん親父だが、この日は二日酔いのため50%の笑顔」
「中尊寺の物見台より」