自意識


大好きな樹に年始の挨拶。

「樹齢約200年の、大きなけやきの樹さん、

あけましておめでとう。今年もお世話になります」


仏教の行のひとつに、対象と同調(または一体化)するというのがある。

いいなと思う自分以外の誰かに同調したり、

雲や樹や花など、自分以外の何かと同調する。

この行を続けると、

まずは私ありきの自意識を小さくすることができるという。


僕がよくやるのは、大きな樹の幹に、両の手のひらを当てて、

生きている樹を感じながら、呼吸をあわせる。

上手にできたときは半樹人になったような気分になって、

元気になったり、癒されたりする。


性格も個性もまったく違うのに、

他人の中に自分と同じものを発見することがある。

誰でもこんな経験はあるだろうが、

あーこの人と私は似ているんだと思える瞬間。

たぶんこのとき自意識は小さくなっている。


自分と似ていると思った人は嫌いにはなれない。

たとえイヤな面をみても、

自分と似ているのだから、なんとなく理解できて、

最後は憐れみさえを感じてしまう。


少しずつ自分と似た人が増えていく。これはいいことだろうか?