選ぶ

彩雲の母体は貴石工房パックという石屋さん。

ここは原石も置いてあるが、メインは天然石の手づくりアクセサリー。

正確に数えたことはないが、たとえばビーズの石の種類は約170種、

これに丸玉やドロップやオーバルなど形が色々あって全部で1500種類ぐらい、

他にもペンダントなどをつくるルースは300種類くらいある。

お客さんはこの中から好きな石を選んでオリジナルのアクセサリーがつくれる。

約1500種類のビーズの中から一つを選び、

その一つには数十から数百個のビーズが入っていて、

自然が作る石は同じ種類でも色や模様や輝きが微妙に異なるので、

さらにその中から選ぶことになる。

 

人によって選ぶ時間にずいぶんと差がある。

早い人で5~10分。多くの人は30分以内に選ぶが、何時間も悩む人もいる。

悩んだ末に多すぎて選びきれないと言って帰る人もいる。

今まで一番悩んだ人は4時間だった。

小学生くらいの子供は早い。なかには一瞬で選ぶ子もいる。

でもこの子達は綺麗な石を選んでいる。

子供たちは頭で選んでいない。感覚で選んでいる。

 

自分で選んで決めるという行為はとても疲れるのだと思う。

30分を超えて選んでいる人の疲れが僕にも伝わってくる。

でも例外がある。ワクワクして選んでいる人の疲れは伝わってこない。

疲れていないのだ。そして綺麗な石を選んでいる。

この人たちはほんとうに石が好きなんだなと思う。