ひとりよりみんな

職場から歩いて5分のところにコーヒーショップがあります。

席数は60くらいあるでしょうか、まあまあの広さです。

仕事前の朝と、夕方の休憩時間の1日に2回、

ここでコーヒーを飲みながら本を読むのが、

僕の愉しみのひとつで、もう8年ちかく続いている日課です。


ここに来る人の半分以上は、常連客でいつも見る顔です。

本を読む人。新聞を読む人。携帯を操る人。

勉強する人。思索する人。居眠りする人。

会話する友達同士や恋人、夫婦。

性別も年齢も職業もばらばらの人達がここに集まり、

それぞれが自分のスタイルで一時を過ごしています。


いつも同じアクションを起こす人もいます。

急にぶつぶつ独り言を言う人。

少なくても3度は大きなくしゃみをする人。

店内に響き渡るとても大きな声で笑う人。

「自分はここにいる」って訴えているかのようです。


不思議な感覚ですが、

年に数度、この「ばらばらスタイル集団」が

ハーモニーを奏でることがあって、

安心感や幸福感のようなものを感じるときがあります。

このときに本を読むのをやめて周りを窺うと、

それぞれがやっていることに集中没頭していて

自分の世界に浸っていたり、

連れ合いがいる人は穏やかに楽しそうに会話していたりします。

緊張は伝染するといわれますが、

たぶん、すべての心の状態は伝染するのですね。


サッカーや野球やアイドルに熱中する人達は、

好きな対象をみんなで応援する「一体感」をもとめていて、

コーヒーショップに集まる「ばらばらスタイル集団」は、

個々が好きなことをやりながら、

みんなで同じ空間を共有する「安心感」をもとめて

いるのかもしれません。

人間は「ひとり」より、

一体感や安心感のある「みんな」を求めているのですね。



9月10日から18日まで中国へ行ってきます。

久しぶりにケンちゃんといっしょに天然石の買付です。

上海のシンシンさんと東海のパンさんのところにも行ってきます。

いい旅になりますように。


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